自然農法の野菜の育て方を解説!基本は土づくりから

自然農法の野菜の育て方

無肥料・無農薬で野菜やお米を栽培する、『自然農法』。

今回は、「野菜の育て方」にスポットを当てて解説してみたいと思います。

自然農法では肥料や農薬を使用しないため、正直なところ野菜の栽培難易度は高いです。

虫に食べられたり、可食部が大きくならなかったり、私自身も自然の洗礼を受け、四苦八苦しながら畑をやっています。

それでも、この1年で学んだことや体感したことがありますので、この記事で余すことなくお伝えしたいと思います。

自然農法で野菜を育てるには土づくりをしっかり行う

野菜の栄養の源は、全て畑の土から供給されます。

畑に種を降ろす前に、野菜の生活拠点となる畑の土を自然農法に適した状態にする必要があります。

自然農法における土づくりのポイントは3つです。

自然農法の土づくりのポイント
  • 団粒構造を作る
  • 土壌微生物のエサを与え続ける
  • 化学肥料は入れない

団粒構造を作る

団粒構造とは一言で言うと、「水持ちが良く、かつ水はけが良い土壌構造」です。

矛盾しているようにも聞こえますが、図で見ると理解しやすいです。

団粒構造を示したスケッチ

団粒構造を示したスケッチ

団粒構造は、上記スケッチのように小さな土粒が複数集まった「団粒」が土全体を構成している状態を言います。

団粒の中には小さな隙間があり、地表から染み込んできた水分を保持します。

団粒内の水分は土粒と電気的に引き合っており、日照りが続いても水分を保持し続けます(水持ちが良い)。

一方、団粒の外には大きな隙間があり、これが余分な水の通り道となります(水はけが良い)。

植物は団粒の外の大きな隙間に根を張り、団粒の中の小さな隙間にある水分を吸収します。

こーちゃん
こーちゃん

自然農法では、あえて水やりをせず、野菜が自力で水を取りにいくように仕向けます。

団粒構造がしっかりできていないと、水持ちが悪くなり、すぐ土が乾燥してしまうので、自然農法に適さない土になってしまいます。

とはいえ、土が団粒構造になるにはかなりの期間を要します。

農薬や肥料を使用する慣行農法の畑を、自然農法で栽培可能にするには、5年~7年の月日が必要と言われています。

団粒構造の形成には長い期間を要する

団粒構造は、植物の残渣が微生物によって細かく分解された「腐植」という粘着性を持った物質と、土の粒が結びついてできます。

微生物の分解スピードは非常にゆっくりで、植物の残渣が腐植になるまでには非常に長い時間を要するのです。

腐植が生成されるスピードが遅いということは、団粒構造が形成される時間も長い期間を要するということになります。

土壌微生物のエサを与え続ける

自然農法では肥料を与えないので、土の中に含まれる窒素やミネラルなどの栄養分量が野菜の出来に直結します。

野菜の必須栄養素の中で一番重要なのが「窒素」で、窒素を供給するのが「窒素固定菌」と呼ばれる土壌微生物です。

窒素固定菌は、その他の微生物から炭素をもらって空気中の窒素を土の中に固定し、野菜は育ちます。

窒素固定菌に炭素を供給する土壌微生物は、炭素の原料である有機物(植物の残渣)を餌にして増えます。

土壌微生物のエサとなる有機物(植物の残渣)を与え続けることで、窒素固定菌やその他の微生物の活動が活発化し、野菜に栄養が供給されるようになります。

こーちゃん
こーちゃん

ただし、有機物を土の中にスキ込むのはNGです。

有機物が土の中で発酵・腐敗すると、熱・有機酸・ガスが発生し、野菜の根を痛めてしまいます。

刈った雑草などを与える際は、畝の上に草マルチを敷くくらいに留めましょう。

化学肥料は入れない

自然農法では化学肥料を使用しないのが鉄則です。

化学肥料を投入すると、土の中の窒素濃度が上昇し、窒素固定菌が活動をやめてしまいます。

MEMO
窒素固定菌には、土中の窒素が少ないほど活動が活発化するという特性があります。

化学肥料を使用しない自然農法は、微生物同士の物質の受け渡しによって野菜に栄養が供給され、野菜が育つ仕組みを利用します。

この仕組みを破壊してしまう化学肥料の投入は絶対にしないでください。

こーちゃん
こーちゃん

土づくりができたら、次はいよいよ野菜を育ててみましょう!

自然農法で野菜を育てる方法

自然農法では、慣行農法と同じやり方で良い部分と、自然農法独自のやり方でないといけない部分があります。

まずは慣行農法と同じやり方で良い部分を紹介します。

慣行農法と同じ部分

慣行農法と同じやり方でできるのは、以下の3つです。

慣行農法と同じ
  • 種まき
  • 栽培適期の見極め
  • 間引きや芽かきなど

種まき

種のまき方は慣行農法と変わりありません。

つまり、種袋の裏面に記載されているまき方でOKということです。

基本的に、種袋の裏面には、種を販売している種苗会社が研究に研究を重ねた、発芽率の高い種まきの方法が記載されています。

発芽率が高いということは、自然の法則に則った方法ということになり、自然農法でも同様の方法と取ります。

栽培適期の見極め

栽培適期とはつまり種の蒔き時のことですが、これも種袋の裏面に記載されている期間で蒔けばOKです。

間引きや芽かきなど

間引きや芽かきなど、栽培期間中に必要な作業がいろいろありますが、慣行農法と同様の考え方でやっちゃってOKです。

こういった作業は、人間が野菜を栽培してきた歴史の中で編み出された技であり、限りなく自然の法則に寄り添ったやり方になっています。

自然農法でも同様の方法をとってOKです。

自然農法独自の部分

自然農法独自の考え方に基づいて行うのは以下の5つです。

自然農法独自
  • 育苗
  • 水やり
  • 雑草対策
  • 自然農法に合った野菜の選別
  • 自家採取の種を使う

育苗

自然農法では、苗の育苗は『苗床』で行います。

自然農法では肥料を与えないので、ポットやセルトレイでは栄養不足に陥るからです。

こーちゃん
こーちゃん

私は圃場に育苗用の平畝を作って、その周りを杉板で囲っています。

板で囲うのはモグラ対策です。

苗が小さい内は上に寒冷紗を掛け、ある程度大きくなってから日光に当てるようにしています。

水やり

自然農法ではよっぽどの日照りが続かない限り水やりをしません。

理由は、野菜の根張りを良くするためです。

植物は発芽した付近の土に十分な水や養分があると、根を伸ばさなくなるという性質があります。

「ヤバい!水が無い!根を張らないと!」←こういう風に野菜に思い込ませて、野菜自ら水や養分を取りにいくように仕向けます。

こーちゃん
こーちゃん

私の感覚的には、水やりをしすぎると土の中の隙間が細かい土で詰まってしまい、水はけが悪くなってしまう印象です。

水はけが悪くなると野菜の根が健全に伸びないので、野菜の出来も悪くなります。

雑草対策

自然農法では雑草も味方と考えます。

植物は発芽した場所から動くことができないので、植物自らが根で土を耕し、自分が育ちやすいように土の中の環境を変えていきます。

雑草の根の伸長も、野菜にとっては恩恵となります。

しかし、雑草の地上部(茎や葉)は伸びるスピードが非常に早いため、放置していると野菜の葉よりも高くなり、野菜の日照が悪くなってしまいます。

そこで、こーちゃん流の雑草を引いたり刈ったりする決まり事を決めています。

こーちゃん流雑草対策
  • 野菜のすぐ近くに生えている草は根ごと抜く
  • 野菜の遠くの雑草は根を残し地上部を刈る

野菜のすぐ近くに雑草が生えていると、雑草が大きくなったときに日光を大きく遮ってしまいます。

また、風通しも悪くなるので、病害虫や病気の発生の元にもなります。

ですので、本当はやらない方が良いですが、栽培している野菜の近辺は雑草を生やさないよう、根ごと引いています。(※根ごと引くと新たに生えなくなるため管理しやすい)

野菜から離れた場所に生えている雑草は、よほど大きくならない限り野菜に当たる日光を遮ることが無いため、根は残し地上部を刈り取るようにしています。(※根を残すとまたすぐに生えてくるが、雑草の根による土の耕しを期待したいため、根は残す)

もっと詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。

自然農法における雑草対策を解説!作物との競合を意識せよ

こーちゃん
こーちゃん

野菜の栽培において日照は最も大事です。

日照効率を最大にしつつ、いかに雑草を畑に残すかを常に考えながらやってます。

自然農法に合った野菜を栽培する

自然農法に合った野菜は下表のものがあります。

私も今のところは下表に記載されている野菜を栽培し、経験を積んでいる最中です。

自然農法に適した野菜等
葉物野菜
レタス、セロリ、紫キャベツ、キャベツ、白菜
根菜類
サツマイモ、ジャガイモ、カブ、大根、ニンジン
果物など
スイカ、ナス、トマト
ウリ科
カボチャ、ズッキーニ、キュウリ
豆類その他
ブロッコリー、大豆

自家採取の種を使う

自家採取の種を使うというのも自然農法を成功させる手段の1つです。

野菜も人間と同じく遺伝子を持っており、育った環境に適応するように遺伝情報を子孫に引き継ぎます。

つまり、同じ畑で自家採取を繰り返すと、その畑で良く育つ「あなた独自の品種」ができあがるということです。

あなたの畑にいる害虫や病気に強い野菜になったり、あなたの畑近隣の気候に適した野菜になっていきます。

Aという場所で種どりされた種が、Bという場所の環境に適応するには大体3年かかるといわれています。

こーちゃん
こーちゃん

私も去年の秋に栽培した金時人参の種どりに挑戦中です!

種を繋ぐというのは農家の尊い営みです。

今年はあなたも種どりに挑戦してみませんか??

自然農法の野菜の育て方 まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、自然農法の野菜の育て方について解説しました。

野菜を育てるには、まず土づくりから!!

といっても、人が土を作る慣行栽培とは違い、自然農法の場合は自然がゆっくりと土を作ります。

年単位で時間がかかると気が遠くなりそうですが、団粒構造が整った畑は今日ではとても貴重な畑になると思いますので、気長にじっくりと自然に寄り添いながら整えていけば良いと思います。

野菜の育て方については、自然農法独自の考え方が必要になります。

慣行栽培とは考え方が異なる部分もありますのでご注意ください。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

2 COMMENTS

吉嶋 陽一

土作りのための水脈作り(圃場のまわりに50cm位の溝を掘る)が有効であると教えて頂きました。目的は雨などが大量に降った際、水はけを良くするためとのことです。
特に水田から畑に変更する際に有効とのことです。

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milifefarm

情報ありがとうございます。
そうですね、畑に関してはやはり水はけの良さが作物の出来に大きく影響しますので、溝をこしらえるのは良いと思います。
※ジメジメした土を好む作物もあるので、全てというわけではないですが。

返信する

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